(九)
京→米沢(慶応三年春)
拝啓
於幸様御身体の具合静健にかあらせられんや。
思うところあり断髪いたし候。髷を結わず、乗馬にて惣髪を風に弄わるる心地好さ。しかれども、尊兄肥後守様は寡人を変節者扱いに致します。兄上様もお試しあれ、と申し上げましたのですが。
写真お送りいたします。よろしければお笑い納め下さい。
佐保姫の花衣踏む吾が駒の吹かせたて髪木の芽はる風
丁卯仲春 定敬
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注:
【断髪】…定敬は、慶応二年の秋頃に総髪にしたとされるが、真偽はわからない。
【仲春】…陰暦二月のこと。