あとがき

 さて、問題。
 斎藤はどうやって下駄の跡だけをつけて帰ったのか?

 1.両手両足に下駄をはいて、四つん這いになって跡をつけ、手にはめていたほうを残して、跡をなぞって帰った。
 2.跡をつけたはいいが、帰るに帰れなくて実は雨戸の蔭に潜んで土方が出てくるのを待っていた。
 3.本当は歩いていなくて、物干竿で下駄を吊って跡をつけた。
 
 どれでもいいような気がする。どれをやってる斎藤の姿も微笑ましいというか、オカシイので。
 新選組の連中はというと、剣の道一筋の人物ばかりのようなイメージがあるが、現代人の感覚でそう思ってはいけない。幕末の人というのは我々が想像する以上に学識が高く、国家の事を思う人が多かったのではないか。斎藤一にしてもそうだろう。どうしても「殺伐の癖」とか「間者」だとかいうイメージで単なる剣豪の側面しか捉えられてないが、武士としての一通りの学問や作法は身につけていたに違いない。
 当時の武家なので、漢籍、和歌、漢詩いわゆる国学や和算も習っていただろう。それがどの程度習得されたかどうかはまったくわからないが。逆に、土方がたしなんでいたような俳句の才などはなかったのだろうと思う。
 

 【参考図書】

 『俳遊の人 土方歳三』 菅宗次/PHP新書(2004年)

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