第九話 〜戦場のカリアティード cadere sul campo di battaglia〜あとがき
すぐれた作品に、あとがきをつけるのは蛇足というもので「こんなもんやめちまおう」と思いましたが、全然すぐれてない踏んでくれと言わんばかりの作品なもので、相変わらずあとがきを少々(笑)。
5話〜8話まで血反吐が出そうな展開に苦しんだ後だったので、今回のまあ何と筆が軽いこと。
「所詮、私にはこの程度の軽さ、そしてこれくらいお下劣なのがお似合いよ」って、感じで一気に書ききりました。しかし、この後がまた難産なんだよね・・・とほほ。
お気付きになられた方がおられるかどうか、章タイトル(英語)は総て『007』シリーズを拝借。B級C調ノリが激しかりし頃のモノばかりです(笑)。
§サブタイトル大作戦§
いつもサブタイには泣かされています。
こんな困ったちゃんの神様は、「昔読んだスパイ小説」なのです。
今回(第9話)は『007』から借りちゃいました。でも、いつも全く同じにするわけではありません。ちょっち変えて見たり、原題をもじったり、いろいろです。
よく読んだのはフランスの作家ジェラール・ド・ヴィリエの『プリンスマルコ』シリーズとか、サイモン・クインの『インクィジター』シリーズとか、ジャック・ヒギンズ、スティーヴン・クーンツ、クライブ・カッスラー、アーサー・クラークとかです。今はヴィリエの翻訳は日本では絶版なのでしょうね。
そこで『プリンス・マルコ』シリーズについて蘊蓄を少々・・・。
ジャーナリスト出身の作家であるヴィリエの作風は、それはそれはまあ世界各国が舞台で、しかも世界の最新武器(当時)やらワルやら美女が満載。当時は冷戦華やかなりし頃で、スパイ家業もバブリー、あまたのスパイが登場しましたが、このシリーズはどうやら人気を博していたらしく、翻訳だけでも40冊は超えています。いつから出版が止まったかは定かではないのですが。
主人公はオーストリア貴族のプリンスですぞ。自分の城を改築・維持するためにいやしい諜報員なんぞに身を窶して・・・という設定が夢のようですね。いうまでもなく、マルコはソフィスティケイテッドな貴族でハンサムなので美女にモテモテです。どこを読んでも外国のスパイ小説は年齢を定かに書いてない場合が多いのですが、私が想像するだに、マルコは30代後半〜40代前半でしょう。アレキサンドラという女伯爵(!)の婚約者がいるのですが、この人が30代前半くらいのようなので。
で、お約束の最新(当時)メカニックやえっちなシーンもバリバリです。結局は、ジェームズ・ボンドと同じで、最後は肉弾戦になるんですけど(笑)。
ただ、極東諸国に関する情報は、ヴィリエもそう詳しくはないようで、言ってしまえば日本などは『007』の『007は二度死ぬ』(丹波哲郎、浜美枝、若林映子出演)程度でした。翻訳された方は、中国語やヴェトナム語に疎く、みょうちきりんな訳が出てきて「あれれ?」という感じです。私も、子供の時は分りませんでしたが。
それにしても、マルコの華麗な女性遍歴(必ずしもベッドの上だけではないので敢えてこう書く)は子供心には刺激的過ぎて、参りました。一体、いつ読んだんだって?小学校の高学年だったと思いますねぇ。
な、わけで私にはスパイ小説の血が流れている(?)のです。どうしようもない、思いつかないなぁ、と感じたら即、当時のバイブルを読み返します。そこでインスピレーションが湧いてくるという次第でして。
それにしても、創元推理文庫だの、スパイ小説翻訳ものの老舗は、一種独特のタイトルネーミングですね。一昔前のべたべたな邦訳の映画タイトルを思わせて、個人的には好きです。だって、今の映画はそのまんまなんやもん。「ワールド・イズ・ノット・イナフ」?何だそりゃ!・・・って、これは邦題を募集したものの、いいのがなくてカタカナ表記に落ち着いたとか。
そんなんありかなぁ、と思いつつ、自分のサブタイだけは出来るだけべたべたな日本語使っちまおう、と思っています。
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