あとがき

 武士の最後の見せ場は「切腹」か「討死」だろう。ところが、案外切腹の作法は一般に知られていない。
 きちんとした武家には必ず切腹用の一式が揃えられていたもので、もののふたるもの死に際こそ美しく、という教育がなされていたといえよう。「腹切れ」といわれて即座に斬るようなものではなく、それなりの手続きがあった。
 しかるに、四番組組長だった松原忠司が腹を切ろうとしたところ、隊士等らがとめたという話や、原田左之助の切腹傷の逸話などは、武士としてかなり破天荒な話だったのではないだろうか。


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