【小説】 『新選組副長助勤 斎藤一』 (赤間倭子著・学研M文庫 2002年)
いわずと知れた斎藤一研究の第一人者の著書です。後年、斎藤さんが会津に骨を埋める覚悟だった次第が、新選組時代から伏線としてみっちり描かれていて読み応え充分。個人的には、女性関係の設定上、何となくセンチメンタルな部分を持ち合わせた人格になっていて、「無敵の剣豪」のイメージとズレるようで不満が残りますが……。
【小説】 「槍は宝蔵院流」(『新選組血風録』所収 司馬遼太郎著・角川文庫 2003年新装版)
主役は宝蔵院流槍の使い手で、原田佐之助の師範であった谷三十郎ですが、その谷を殺す設定上斎藤さんとの出会いから始まります。この斎藤さんは、思慮深く礼儀正しく実に武士らしい侠気のある、かといって洒落のわからない堅物でもない気持ちのいい人な風に描かれていて、大好きです。
【小説】 『壬生義士伝(上下)』(浅田次郎著・文春文庫 2002年)
監察方・吉村貫一郎(人物像としては浅田氏のフィクション)を語る晩年の藤田五郎として登場。若かりし頃のエピソードが上巻中盤〜下巻序盤まで描かれている一人称。子母澤寛と思しい人物が聞き手。この斎藤さんはニヒルで厭世的でカッコいい。人間を糞袋と罵り、自分さえも憎む徹底した冷血漢。と思いきや、相容れないだろう性格の吉村に友情を感じたり、女性を愛したりする。幕末の男の一つのスタイルとして、ぐっとくるものがあります。私は、若い頃の斎藤さんはもっとドライだったんではないかとも思いますが。
【小説】 『新選組三番隊組長 斎藤一』 (菊池直人著・PHP文庫 2003年)
「二つの時代を生き抜いた最後の剣客」というキャッチーなコピーですが、実にドラマ的にはシリアスです。というのも、池田屋事件から始まって、ほとんど中盤以降が戊辰戦争からのお話ですので。斎藤さんが江戸で旗本を斬って出奔という事件のきっかけには納得しました。しかし、京都以降における女性関係ももう一つどうかなという気もしました。しかし、想像ながらも会津時代の苦悩が伝わってきます。
【小説】 『FIGHTER』 (吉田直著・角川スニーカー文庫 1998年)
時は明治10年。英国商館を襲った刺客たちは、死んだはずの新選組隊士、沖田総司と土方歳三だった。というSFアクション。ここで登場する斎藤さんは関西弁を喋り(播州明石浪人という肩書きから?)、三十代半ばの警視局警部補・藤田五郎として活躍します。出番は多いし口数も多い、寡黙な斎藤さんのイメージとはちょっと違った雰囲気です。沖田に恋の世話焼きしたり、甦った土方より弱いのも何だか……すいません、吉田先生(汗)。
【研究書】 『新選組・斎藤一のすべて』 (新人物往来社編・新人物往来社 2003年)
2003年にこれが出るなんて、もはや斎藤一ブレイクを狙ってるとしか思えませんでした。新選組に造詣の深い研究者・作家の方々がそれぞれ得意な分野から斎藤さんを記しています。年表、関連文献目録もあって、斎藤さんファン必携の一冊であることは間違いないでしょう。
【研究所】 『新選組・斎藤一の謎』 (赤間倭子著・新人物往来社 1998年)
品切れで入手出来なかったのですが、また2003年末に再版されました。赤間さんの斎藤一研究の集大成のような本です。ここではやはり斎藤さんは会津藩の密偵ではないかという説が浮かび上がってます。こちらも斎藤さんファンには欠かせない基本書ですね。
【マンガ】 『無頼 BURAI (全5巻)』
『無頼 魔都覚醒』 第1〜2巻 (岩崎陽子著・角川書店 1997年〜)
斎藤一を主人公にした唯一無二の漫画。しかも新選組隊士が総て美形という超ヴィジュアル系!少女漫画とあなどるなかれ、緻密なストーリーと史実の絡みはアッパレです。作者岩崎氏のご事情等で連載がストップしたままなのが残念ですが、いずれ早い段階での再開を祈ります。この斎藤さんは美形だからというだけでなく、何だか総てが私のツボです。やはり斎藤さん好きの人間の波長をよくとらえていらっしゃる!何気に時尾さんも出てくるし、斎藤一ファン必携ですね。
【小説】 『明治無頼伝』 (中村彰彦著・角川文庫 2000年)
奥羽戦役で会津藩に身を投じて戦った斎藤一の姿を描く。新選組時代は華々しかったものの、やはり斎藤さんの人生の後半は維新後の激動の時代を生き抜いたことに尽きるのでは。そういった意味では、隊士の中では真につわものだと呼べたのは斎藤一が唯一と感じられます。このころは藤田五郎になっていましたが。
【小説】 『新選組密偵 山崎烝』 (島津隆子著・廣済堂文庫 2002年)
なぜこれが斎藤さん本?と思われますが、この小説での斎藤さんは池田屋事件前に山崎さんらと絡んで密偵のボスのように動いてます。例の暗殺事件ももしかして斎藤さんが……とにおわせるような。しかも「眉が濃く、眼は鋭いが見るからに美丈夫」と描かれています。ここまではっきり美男子に書かれると面映いですが、若いのに生意気で寡黙で不気味で酒好きなのは変わりありません。とにかくカッコいいです。
【小説】 『警視庁草紙(上下)』 (山田風太郎著・河出文庫 1994年)
鬼才・山田風太郎の傑作に斎藤一こと藤田五郎が登場。荒唐無稽なのはスルーしてください、鬼才ですから(笑)。年代的にも無理があるのですが、全編に斎藤さんがでているというだけで満足できるかも。とはいいますが、けっこうオマヌケな姿が多いんですよ、藤田巡査。エンターテインメントの醍醐味を感じてください。
【小説】 『歳三 往きてまた』 (秋山香乃著・文芸社 2002年)
話題作です。新選組も末期の鳥羽・伏見の戦いあたりから五稜郭まで土方歳三を主人公に描かれた散る者の壮烈な決意と意志をロマンチシズムの極致かつリアリティに溢れたともいうべき筆致で書かれた大長編。ここにほぼ全編にわたって登場する斎藤一はイナセな江戸っ子というのが相応しいいい男。会津で土方から新選組を任された時の言葉がぐっときます。文句なしにこの斎藤さんは惚れます。
【小説】 『獅子の棲む国』 (秋山香乃著・文芸社 2002年)
戊辰戦争で敗れた会津藩の復興を中心に展開する物語り。その中には当然、斎藤一あらため藤田五郎が登場します。斎藤さんは、前作『歳三〜』で会津の間諜という設定でしたが、ここではさらに大久保利通のスパイとして暗躍するという奇抜な設定です。しかし、それが単なるフィクションと思わないほどリアル。ひょうひょうとした斎藤さんと時尾さんとの出会いも微笑ましいです。
斎藤一 関連
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