【小説】 『いつの日か還る 新選組伍長 島田魁伝』 (中村彰彦著・文春文庫 2004年) ☆
島田魁を主人公にした初の長編小説。この最後の章にあたる「巨体倒るとも」という短編小説が最初にあったと思います。やはりエピソードの多い永倉新八との友情などが描かれてます。高台寺党の間諜としての職務を終えた斉藤さんと出会うシーンは、印象的です。この小説の斎藤さんは、陰がありながらも武士然とした雰囲気でどこか闊達な風にも見える感じ。
【小説】 『鴨川物語 哀惜新選組』 (子母澤寛著・徳間文庫 2003年) ☆
子母澤寛氏の筆で、鴨川の髪結い兄弟の視点で書かれた小説。天誅組から始まってタイトルどおりに鴨川にまつわるエピソードを中心にしています。斎藤さんの主な出番は高台寺組間諜の場面。「あの男ならやってくれるだろう」と土方に言わしめるほどのやり手ですが、仕事を終えたあとに「隠密などの出来る男ではないですよ」とか皆の顔がしらじらしいので悲しい、という弱気な一面も。
【紀行】 『新選組紀行』 (中村彰彦著・神長文夫写真・文春新書 2003年) ☆
時系列で新選組を追った紀行。新選組の経路を辿る旅など計画される時には便利かと思われます。しかし、わざわざ江戸(東京)〜京都〜江戸〜甲府〜会津〜函館というような旅行は無理ですので、京都は京都で一気に関係の場所を巡る、という風にしか出来ませんよね多分
【小説】 『明治新選組』 (中村彰彦著・角川文庫 1993年) ―
中村彰彦氏のデヴュー作「明治新選組」を表題にした文庫。表題作は函館陥落後も生き延びた元・新選組隊長相馬主系を主人公にした異色作。他五編の短編を掲載してます。「近江屋に来た男」は、坂本竜馬を殺害したとされる見廻組・今井信郎を題材にしたミステリー的要素のある面白い話で好きです。
【小説】 『新選組興亡録』
『新選組烈士伝』 (司馬遼太郎他著・角川文庫 2003年) ☆
新選組を題材にした歴史作家の錚々たる面々が書いた作品のアンソロジー。『興亡録』の方は新選組創生から滅亡までの流れに沿って作品が集められ、『烈士伝』では隊士それぞれを主人公にした作品が集められています。
【研究書】 『新選組 高台寺党』 (市居浩一著・新人物往来社 2004年) ―
かつて私家版として出された『高台寺党の人びと』の修訂版にあたります。しかし高台寺党、ときいて斎藤一を期待してはいけません。純粋な同志ではないために著者はあえてはぶいたそうです。ひたすら佐漠ひと筋だった新選組本体とは別に歴史を動かそうとした男達の思想が窺えます。
【新書】 『新選組日記』 (木村幸比古著・PHP新書 2003年) ☆
副題に「永倉新八日記・島田魁日記を読む」とありますが、原文と現代語訳、解説が詳しく掲載されている貴重な日記です。木村氏は京都・東山の霊山記念館館長でもあります。新書のかたちではありますが、ほとんど研究書ですね。斎藤一はときどき登場します。永倉が暗殺されかける場面はスリリングです。
【小説】 『若き獅子』 (池波正太郎著・講談社文庫 1994年) ―
表題作は高杉晋作を主人公にした短編。「悲運の英雄」は越後長岡藩の家老であった河井継之助の生涯、「壮烈なる孤忠」は松平容保を扱った作品。そして、「新選組敗走記」は江戸へ逃げ返ってからの新選組の顛末を描いたものです。「明治元年の逆賊」では小栗上野介を逆賊として描いています。いずれも池波節の飄々とした雰囲気で語られながら、幕末の鬼気迫る時代を感じます。
【小説】 『幕末(新装版)』 (司馬遼太郎著・文春文庫 2003年) ☆
タイトルどおりに幕末に起こった十二の暗殺事件を描いた連作小説。「花屋町の襲撃」はいわゆる「天満屋事件」。斎藤一の出番だ、と思いきやあんまし活躍しません。というか、酔って(そういう振りをして油断させて)唄までうたう斎藤一(笑)。でも、司馬先生の描く斎藤さんは好きです。
【小説】 『十一番目の志士(上下)』 (司馬遼太郎著・文春文庫 1974年) ☆
長州藩出身の天堂晋助という架空の人物が主人公。過激派の高杉晋作のもとで刺客に仕立て上げられる。司馬文学の弾むような筆致と簡素な文にして深い感銘を与える作品です。斎藤さんはというと、晋助がはじめて京都入りする伏見の舟の上で出会うのですが、隙のない手強い雰囲気を醸し出しています。
【小説】 『新選組風雲録 洛中篇』 (広瀬仁紀著・文春文庫 2004年) ☆☆
江戸からやってきた盗人・ましらの忠助という男が土方歳三の密偵になり、新選組を通じて幕末で暗躍するというフィクション。忠助が壬生の屯所に忍び込もうとして最初に出会うのが斎藤一です。何やら不気味が雰囲気を醸しだす斎藤さん。でも、禁門の変では新八っつあんらと下帯いっちょうになってます。
【小説】 『新選組風雲録 激闘篇』 (広瀬仁紀著・文春文庫 2004年) ☆☆
禁門の変以後、長州狩り、山南の切腹、屯所の西本願寺への移転、伊東甲子太郎の参入までを描いた転変の中盤。斎藤さんの出番は少なく、何故か忠助の出番も少ないです。歳三の苦悩と総司の病変など、隊内ではだんだん翳りをましていく雰囲気。しかし、出番は少ないながらも斎藤さんの暗殺場面はめちゃカッコいいです。
【小説】 『新選組風雲録 落日篇』 (広瀬仁紀著・文春文庫 2004年) ☆☆
高台寺党の分離から坂本竜馬の暗殺、そして油小路事件までをじっくり描いています。いよいよ伊東派に混じって暗躍する斎藤一の真骨頂、といったところ。そのあたりの経緯が詳しくまた人情味溢れる具合に仕立てられています。欲を言えばもう少し伊東派の正義の部分を描いて欲しかったですが。
【小説】 『新選組風雲録 戊辰篇』 (広瀬仁紀著・文春文庫 2004年) ☆☆
天満屋事件から戊辰戦争への新選組転落の部分がこの戊辰編。洛中を去り、伏見での戦いに破れ、流山で局長の死を迎えるあたり。意外にあっさりと描かれてますが、それは主人公の視点が違うからでしょう。会津へ向かう土方が斎藤一に託した望みとは……。なるほどこういう筋書きもあるんだな、と思いました。
【マンガ】 『新選組』 (手塚治虫著・講談社 2003年) ―
昭和三十八年でこの感覚はさすが手塚御大としかいいようがない新鮮さが今もってあります。残念ながら斎藤さんは名前くらいしか出ませんが、面白い。都合で池田屋事件の場面までしか描かれてませんが、芹沢鴨らが丁寧に書かれてます。
【マンガ】 『あかね色の風―新選組血風記―』 (車田正美著・集英社文庫 2001年) ―
沖田総司を主人公にした熱い車田マンガ!!!思わず「!」が三つもつくほど熱いです。お色気場面もありますが、やはり王道は男と男の勝負でしょう。総司に対するには高杉新作、岡田以蔵、新見錦らクセモノ揃いです。
【マンガ】 『月明星稀 さよなら新選組』第1〜10巻 (盛田賢司著・小学館 2004年〜2006年)
土方歳三が主人公です。総司が決して男前には描かれてないのがいい。何かこう、スポーツマンガを思わせるような青春だなぁ、という雰囲気もします。斎藤さんの出番はまだのようです。
【小説】 『虎狼は空に 小説新選組』 (津本陽著・文春文庫 1989年) ☆☆
「人斬り集団」としての新選組をストイックに書ききった文豪・津本陽氏の大作。ほとんど無駄な描写がなく、叙情に訴えるとすれば沖田総司の恋愛模様くらいです。この小説での斎藤さんは、総司や永倉とはわりと慣れ親しんでいるような雰囲気ですが、クールです。何といっても、最後が鳥羽伏見の戦いで永倉・斎藤両名が八幡男山に孤立してしまった場面。男意気が泣かせる。
【ムック】 『新選組人物誌(文芸別冊)』 (河出書房新社 2003年) ☆
『新選組!』の放送に先駆けて作られた特集本。全隊士のプロフィールほか、池波正太郎氏の鼎談や浅田次郎氏の対談など、興味深い記事が多いです。太宰治のあまり知られてない『虎徹宵話』が載せられています。
【ガイド】 『BAKUHATSU!新選組』 (スターツ出版 2004年) ☆
ムック風の体裁で編集された新選組の新たなガイドブック。里中満智子、水木しげるなど当代随一の作家、マンガ家のインタヴューや、栗塚旭さんのインタヴューも。楽しく読める本です。
【ムック】 『新選組が好き!!』 (徳間書店 2004年) ☆
『新選組!』と新選組をヴィジュアル中心にガイドした、ドラマを楽しむ&新選組の魅力を知ることが出来る本です。ゆかりの地ガイドも詳しいです。新選組関連サイトも紹介されています。
【小説】 『新選組 幕末の青嵐』 (木内昇著 アスコム 2004年) ☆☆☆
新選組創設から滅亡まで、さまざまな出来事を隊士それぞれの視点から描いた新しい切り口の小説。斎藤さん視点では3回描かれてますが、他の隊士との絡みでいっぱい登場します。ストーリーでは永倉さんとは親しかったようで、平助には嫌われてたという人間関係。孤独で人を斬ることだけを楽しみにしてきたような風情であるも、最後はそうではなくて新選組を自分の居場所だと覚ってからの斎藤さんの心境に熱いものを感じます。
新選組全般 関連 (その2)
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ぶっちゃけ私見だらけのレヴューです。雑誌類は含めません。
ハジメ度:☆(最大5つ)の多さで斎藤一の露出度を表します。
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